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オオキンケイギク 

小笠原諸島は東洋のガラパゴスと言われ、固有の生物が大切に守られています。それゆえに世界自然遺産にも指定されているのです。オガサワラシジミ、ハハジマメグロ、タコノキなど多くの固有の動植物が生きています。
私は行ったことがないのですが、東京から船で行く以外に渡るすべのないというこの島は、それだけに外来生物が島に入ることに対してずいぶん神経質になっています。
かつてここにグリーンアノール(アメリカカメレオン)がペットとして持ち込まれ、それが野生化した上、一気に繁殖してオガサワラシジミなどに被害を与えました。そこで

    特定外来生物

に指定されて駆除の対象にまでなりました。しかしグリーンアノールにはなんの罪もなく、故郷のアメリカから運ばれてきて野に放たれ、そこで生きて行こうとしたら迷惑だと言われるわけです。人間の嗜好の犠牲になったようにも思えます。「特定外来生物」は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(2005年6月1日施行)によって飼養、栽培、保管、運搬輸入などに規制されるものです。グリーンアノールはこの特定外来生物の第一次指定種の中のひとつになっています。
私の家の近所にさほど大きくない川があるのですが、そこは晩春から初夏になるときれいな金色(黄色)で埋め尽くされます。

    オオキンケイギク

という草花が一斉に花をつけるのです。とても愛らしくて目にも鮮やかな花ですが、これも2006年に施行された特定外来生物の「第二次指定種」に含まれてしまいました。この植物は北アメリカ原産で、明治時代に日本に入ったようです。そしてその美しさからとても愛されたのですが、繁殖力が異常なまでに強く、そのためにカワラナデシコなどに被害を与えるというので一転して特定外来生物になってしまったのです。
ある日、大掛かりな一世駆除がおこなわれ、一夜にしてオオキンケイギクの姿はその河原からなくなりました。なんともかわいそうな話です。
和泉式部の夫の藤原保昌が「明日、狩をしよう」というので、この歌人が夜に鹿の声がするのを聞いてこう詠みました。
ことわりやいかでか鹿の鳴かざらむ
   今宵限りの命と思へば
    (後拾遺和歌集)
「鹿の鳴くのも当然だ。今夜限りの命だと思うと」という簡単な歌なのですが、人間の都合で明日には命を絶たれるという生き物の悲しさを詠んでいます。
  ことわりやいかでか花の咲かざらむ
   この日限りの命と思へば
と、オオキンケイギクに捧げます。

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