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『かぐや姫の物語』の発見(2) 

野澤松也師匠のかぐや姫のお話は、作中に「大塚家具」まで出てくる滑稽な作品です。以前学生に聴かせたときには、「浄瑠璃=まじめで堅苦しいもの」と思い込んでいた学生が「大塚家具はそんなに古くからあったのですか」と真剣に質問してきました。浄瑠璃では笑ってはいけないと思っていたのかもしれません。私の事前レクチャーが足りなかったようです。
絵本はおおむね『竹取物語』と同様の話で、子どもたちには空想的なお話としておもしろがられる力を持っているようです。しかしそれゆえに、『竹取物語』=幼稚な物語というイメージを持たれがちで、これはもうとんでもない勘違いだと思います。『竹取物語』は親子の愛情を中心にした「愛情物語」で、大人の鑑賞に堪えうる古典文学です。

    川端康成

は『竹取物語』(今は新潮文庫で読めます。電子版もあり)を現代語訳していますが、その解説でこの作品を、そして作者を高く評価しています。
『竹取物語』の魅力を映画にして残したいと考える監督がいらっしゃったのも心強い限りです。もちろん映画にすると監督をはじめとする制作者の考えで自由に内容を広げることができますが、その広げ方もまた原作に強い魅力があればこそできるものだと思います。
市川崑監督の作品は、ちょっとSFのほうに行き過ぎた感があって、また、かぐや姫の本当の悲しみが見えにくくて名作だとまでは思いませんでした。主演の沢口靖子さんは、かわいさと冷たさととぼけたようす(最近の言葉では「天然」というのでしょうか)を兼ね備えた私の好みのタイプ(笑)ですので、彼女が出演していることが救いではありましたが(笑)。そうそう、このブログに時々コメントをくれる「押し得子さん」は、沢口さんにちょっと雰囲気が似ています(笑)。ただ、沢口さんはまだお若かった(公開当時22歳)こともあって、演技は・・。
一方の高畑勲監督のアニメは平安時代末期の絵巻物に造詣の深い高畑さんらしく、故実に正確な描写が多くてたいしたものだと思っていました。もちろん細かいことを言い出すと奇妙なこともあります。たとえば、かぐや姫の所に天皇がお忍びで出かける場面がありますが、当時の帝は「お忍び」というような安易なことはしません(原作では狩の行幸という理屈をつけています)。そのほかにもいくらか気になるところはありますが、鑑賞に十分耐えうる範囲内だとほんとうに感心していたのです。内容もおもしろくて、深みのある、子どもも大人も楽しめるすぐれた作品だと思っていました。
ところが、日本映画の宿命で、私の持っていたDVDは字幕がなくて、恥ずかしいことに、私は厳密な内容を理解しないまま観ていて、それで満足していたのでした。
最近、あるかたのご厚意で

    字幕付き

の『かぐや姫の物語』を観る機会を得ました。
「目から鱗が落ちる」と言いますが、この慣用句を強く実感しました。そうか、そういうことだったのか、という場面がいくつもあったからです。「捨丸」という、原作にはない人物をどのように造型したのか、ということも以前はもっと軽く考えており、本当の意味が初めてわかったような気がしました。学生が最後の場面で涙を流していた理由もわかりました。この地上は穢れている、というのは仏教の考え方(「浄土」に対する「穢土」)で、原作にはそのまま天人に「穢きところ」と言わせていますが、アニメ版ではその言葉に対して「穢れてなどいない」とかぐや姫が反論するのも印象的でした。
この映画の中には「まわれ、まわれ、まわれよ、水車まわれ、まわってお日さん呼んでこい」というわらべ歌がありますが、この歌の存在も知らないままでした。あいにく今もそのメロディがわかりませんが、そこは私のことですから、適当に「作曲」して(笑)観ています。また「まわれ、めぐれ、めぐれよ、はるかなときよ、めぐって心を呼び返せ」というかぐや姫が歌う歌もありますが、これもまったく知りませんでした。「待つとし聞かば今かえりこむ」で終わるこの歌も重要な意味を持つことがよくわかりました。
こういうことをすべて知らないまま何度も繰り返しこの映画を観てわかったような気になっていたのですから愚かな話です。映像を見せてくださった方には、その愚かさを少し賢明にしてくださったことに対して深く感謝しております。

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コメント

通用しませんことよ、の意。

@コメントをくれる「押し得子さん」は、沢口さんにちょっと雰囲気が似ています(笑・・・・・

?? ・・・センセ?
センセ、これほど長くお慕いして居るのでございます。
もう、いい加減、上記のような嫌がらせか、からかう、という行為が、通用しない人間だとお気付きくださいませ。
何よりも、わたくしは沢口さんに謝るべきなのか?沢口さん関係者の皆々様に謝罪すべきなのか?
余計なミッションを課すのはご勘弁くださいませ。・・・ああ、恐ろしい…。

こんな文言で、好き放題にコメントを送信していることへの、やんわりとしたお叱りならば、全く、わたくしには通用いたしませんことを、大々的にお伝え申し上げます。

以上で、ございます。

※ああ、危ないアブナイ、センセの上記の一文をスルーしてたら、今度はどんなデビルが待っていただろう‥。
澪標し、恐るべし。。かぐや姫の不死の怨霊なのだろうか、。。。

  • [2023/07/13 21:49]
  • URL |
  • そんな文言にメゲナイ・押しego。
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

🎵押し得子さん

何も瓜二つとは言っていません(笑)。
でも、年代も近いし、小顔で、つぶらな目で、ショートヘアがよく似合う、雰囲気としてはいい線いっていると思いますよ。断じて嫌がらせではございません。

豪雨にご注意下さいませ。

・・・・ああ、もう、はいはい、お好きに公開処刑なさってくださいませ。

あ、仮に明日以降。 
センセのお住まいの区域にゲリラ豪雨が発生した場合は。

わたくしからの、怨念と誤・・認識なさって下さいませ。

さ、逃げよ‥。源氏の君に慰めてもらおう。。

  • [2023/07/13 22:37]
  • URL |
  • まだ、メゲナイ・押しego。
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

🎵押し得子さん

光源氏さん、相変わらず仲良くしていますか。

光る君ならかぐや様も引き留められただろう。

いよいよ、幻惑の麗人、朧月夜さまのご登場でございます。
光る君のヤケッパチ気分が絶好調で加速していきます。
幼女の紫ちゃんに和歌でも教えて大人しくしときゃいいのに・・、
藤壺さんが相手してくれないからって、
母親をいじめ抜いた女の娘に引っかかるかねぇ・・バカだねぇ‥。そこが、いいんでしょうけど、つくづく馬鹿だねぇ。。

しかし、光る君の凄さって。
母親への仕打ちへの復讐心を全く匂わさない、清々しさにあると思います。
(式部様の上品さとも言えますが‥。) 

ま、この後、須磨に流されるので、お待ち申し上げておきましょう。
頭中将も颯爽とお越し下さるし・・、あそこ、カッコいいんですよね。ワクワク。

  • [2023/07/14 10:49]
  • URL |
  • 朧月夜に憧れる・押しego。
  • [ 編集 ]
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