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正倉院の宝物 

いつのころだったか、正倉院にある瑠璃坏(るりのつき)を写真で初めて観た時には、その美しさに驚きました。簡単にいうと銀の脚のついたガラスのコップ(笑)なのですが、そういってしまうと身もふたもないのです。
22個の環状の装飾を持つあのコバルトブルーの美しさは何ものにも代えがたいほどで、私もこれまでに2度実物を観ていますが、ほんとうにしびれるような感動を受けます。コバルトと酸化鉄で発色した青には、吸い込まれそうな魅力があります。最近では奈良の幼稚園に文楽人形劇の稽古に行ったとき、帰りに立ち寄ったのですが、調べてみるとどうやら

    2012年

のことだったようです。11年も前なのですね。
その前に見たのは学生のころで、まだ何も分かっていない未熟な頃でしたから、感動はおそらく二度目の方が強かったと思います。
この一点だけを展示している部屋があって、その周りには二重に観覧者が目を凝らしているのです。すぐ近くで観たい人はかなり並んで前列で観ます。私はからだが大きいものですから、後ろからでもよく見えますので、並ぶこともなく後列でゆっくり観ました。照明が当てられていますが、あたかもこのコップから光が出ているようでもありました。
フェルメールのウルトラマリンン(ラピスラズリ)、北斎のベロ藍も美しいですが、工芸品では私にとってはピカイチの青です。
映画『かぐや姫の物語』にはチラッとこの瑠璃坏らしきものが姿を見せます。帝がかぐや姫を連れてくるように命じたのに、断られた時の場面です。清涼殿の中で帝は倚子(いし)に腰を下ろしていますが、この場面には正倉院の宝物が調度品として描かれているようです。
帝の背後には「父母不愛不孝之子 明君不納不益之臣(父母は親孝行でない子を愛さない。すぐれた君主は役に立たない家来を用いない)」などと書かれた屏風が見えますが、これは正倉院の

    鳥毛帖成文書屏風

と思われます。そして高机に置かれたものは白瑠璃瓶(はくるりのへい)とあの瑠璃坏に見えるのです。はっきりとはわかりませんが、その高机や帝の座っている倚子も正倉院のものを写されたのかもしれません(ただし、清涼殿に倚子はありました)。
倚子というのは中国風のもので、かなりきちんとした儀式のときに帝が座るものでした。高机もそうだと思います。映画ではずいぶんくつろいでいて、大会社の社長さんがブランデーでも舐めているかのような(笑)描き方になっています。そういう意味では不正確かもしれませんが、高畑監督が清涼殿で悠然としている帝を描こうとした際にこれらの宝物を用いられたのは現代人によく伝わる雰囲気づくりにとても役立っているように思います。

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