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破壊と機械的操作 

高校時代に私の苦手だった科目のひとつが数学でした。授業を聴いていても何らおもしろいと思えなかったのです。おもしろくもねぇものに時間を割くほど江戸っ子はひまじゃあねぇんだ、と、江戸っ子でもないのに思ったものでした。ところが大学生になって教養科目の数学が意外におもしろく、まさかと思うほど成績もよかった(実際しっかり理解していた)のです。もっと早くこういう数学に出会っていたら、いくらかまともな大学に行けたのではないかと思ったほどです(笑)。数学者という人の頭の中味がどういうものなのか、私には今なおよくわかりませんが、何だか「今世紀最大の難問を解いた」とかいうので新聞に記事が載ったりしているのは見たことがあります。数学者の中でも私ですらお名前を存じ上げている人に、

    岡潔さん(1901~78)

がいらっしゃいます。ただし、この先生が世界的に名を知られることになる多変数複素函数論とかいう学問業績については、いうまでもなく何のことやらさっぱりわかりません。しかしこの人はもっと広い目で日本の未来について考えた人でした。
岡氏は小林秀雄氏と対談をなさって、それは『人間の建設』という本になって今なお読まれています。
その中で、二十世紀の科学、特に「科学の王者」であった理論物理学のしたこととして岡氏が第一に挙げられたのは「破壊」という仕事、そして第二は「機械的操作」なのです。これが語られたのは昭和四十年で、それからすでに約60年が経っているのです。しかし相変わらず原爆などの「破壊」兵器は捨て去ることもできず、

    人類の存続

さえ脅かし続けています。「機械的操作」については遺伝子操作やAIの異常なまでの発達という形で、今も日々「発達」しています。かくいう私も、今この記事はパソコンで書いています。日々ブログやインスタグラムなどを通して思ったことを言っています。「機械的操作」の恩恵を受けていることは否定のしようがありません。しかし最近はもうこれ以上のレベルのものとは付き合いたいとも思わず、AIに文章を書かせるなどと言うこととは、できる限り縁を持ちたくないという気持ちでいるのです。
岡氏が60年後の今をご覧になったら「科学技術がさらに狭い範囲で発達するばかりで傲慢になっている」とお考えになるかもしれません(勝手に推し量るのは岡氏に失礼ですが)。
このところ、ひと昔前の人たちの予言のような言葉にいささか心を動かされています。

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