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くじる 

『竹取物語』の冒頭近くに、かぐや姫の美貌の噂を聞いた男たちが我も我もと集まってきた話が書かれています。彼らは夜も寝られず、闇の中で「穴をくじり、垣間見」て心を乱しています。「くじる」というのは、穴をあける、えぐる、えぐって中にあるものをとる、ということです。「抉(る)」という漢字が当てられます。男たちは、闇夜に見えるわけがないのに、塀に穴をあけてかぐや姫のいる家の中を覗こうとしたのです。でばがめ、Peeping Tomですね。
何か小さい穴が開いていると、そこに細い棒のようなものを入れてその穴を大きくしたいという欲望は多くの人にあるのではないでしょうか。やめておけばいいのに、つい穴を大きくしたために叱られたり、弁償させられたりというひどい目に遭う可能性もあるでしょう。けがをしてかさぶたができると、放っておけばいいのに無理やり取ろうとして結局また出血してしまうというのに似ています。
今年は「(衆議院を)解散するぞ、解散するぞサギ」がよく飛んでいます。
議員諸君はいつどうなるかわからないと、「鷺よ飛ぶな」「もう少し待ってくれ」「そろそろ飛んでくれ」「いますぐにでも」と自分のことに必死になっている人も少なくないことでしょう。
しかし何度考えても、私はあの

    7条解散

というのが理解できません。1952年と言いますからさすがの私もまだ生まれていない頃、吉田茂氏が内閣総理大臣であったときに、鳩山一郎氏との争いなど党内抗争が激しくなりつつあったため、抜き打ち解散をおこなったのが七条解散の「元祖」なのだとか。昭和天皇に内閣から解散を

    助言

して、認めさせるという曲芸のようなことをしたようです。
これは便利な前例ができたというので、それからはほんとうにこんなことをしてよいのかなんて反省することなく、いつのまにやら「首相の専権事項」といういかにももっともらしい言葉まで作って100年前から決まっていたかのようにその「専権」とやらを振り回すのがあたりまえになりました。
どこかに法の抜け穴はないかと探したら、ほんのわずかに小さながほころびらしきものが見えたので、それを「くじる」ことで大きくして天下の大法にしてしまったかのようです。
でも、闇の中でそんなことをしても正しいものは何も見えてきません。
誰か頭のいい人が「専権事項なんて大ウソだ!」と『裸の王様』のように言ってくれないものかと思っています。
『竹取物語』で穴をくじり垣間見をしていた求婚者たちは、やがて二人が消え、三人が去り、あれよあれよという間に数が減って、かろうじて残った五人の貴公子もすべて虚しい結果に終わるのです。

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コメント

イギリス・議会任期固定法。

日本が議会制度のお手本にしたイギリスでも首相の解散権が問題になりました。そこで2011年に議会任期固定法を制定して首相の解散権を封じました。
さて日本はどうするのでしょうか?

♫やたけたの熊さん

「外国の真似をすればいいってもんじゃない」とか何とか言って自分たちの権利を守ろうとしますね、きっと。
正しいかどうかではなく、自分たちに有利かどうかで判断するからどうしようもありません。権力とお金は持つものではないと思います。人間が浅はかになります(持たざる者のたわごとですが)。

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