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2023年の十三夜 

今年の十三夜(旧暦九月十三日に出る月)は本日10月27日です。「後の月」「栗名月」「豆名月」などともいわれます。「後の月」は八月十五夜に対して二度目の名月というくらいの意味です。十五夜だけを観て十三夜を観ないのは「片見月」になる、とも言われます。
十五夜(旧暦八月十五日)は中国から来た風習ですが、十三夜は日本のもので、平安時代に宇多法皇が「今夜月無双」と言ったとされたのが起こりだと言われることがあります。とはいえ、平安時代にずっとこの月が愛され続けていたということではないように思います。晩秋と言えば圧倒的に紅葉、そして菊。鹿の声というのもありますが、いずれにしても、十三夜はさほど話題になることはなかったようです。それでも、平安時代末期の西行法師は、
  雲消えし秋の半ばの空よりも
   月は今宵ぞ名に負へりける
         (山家集)
と言っており、明らかに彼は十三夜の月を称賛しているのです。少し後の14世紀には兼好の『徒然草』239段も、九月十三夜を八月十五夜とともに「月をもてあそぶに良夜となす」と言っています。
十三夜は、樋口一葉の名作(文楽にもなりました)もあって、私の大好きな月です。それで調べてみると、私は十三夜については、毎年とは言いませんが、かなり頻繁にこのブログに書いています。それほどに十三夜に心が惹かれるのだと思います。
一葉の『十三夜』の中の「今宵は旧暦の十三夜、旧弊なれどお月見のまねごとにいしいしをこしらへてお月様にお供へ申せし」という一節は初めて読んだときから心の琴線に触れました。

    「いしいし(団子)」

という言葉も明治の作品とはいえ、何となく江戸時代の風情があるように思います。いうまでもなく、「いしいし」はいわゆる女房言葉で、もともとは宮中の女房たちの使った、いわば京ことばです。ところが、この作品では江戸の風情の残る東京の女性言葉として深い味わいを感じさせてくれるようです。
以前もここに書いたことがありますが、拙作浄瑠璃『異聞片葉の葦』はこの日の出来事です。十五夜とは違った晩秋の風情が、美しいのに悲しさを感じさせるように思えて、この夜の話にしてみたのです。
晩秋というのは平安王朝の

    もののあはれ

を感じさせる季節のように思います。
今年の立冬は11月8日ですので、秋もあと2週間足らずです。
今夜の天気はどうでしょうか。少し寒いですが、観に行ければ近くの川まで足を向けて、少し欠けた月を眺めてみたいものです。

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