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古典と公園(古典の日に) 

本日、十一月一日は「古典の日」ということになっています。
私は明治天皇の誕生日ではなく、この日を文化の日にすればよいと思っています。
それはさておき、いうまでもないことですが、古いものが「古典」なのではありません。古くから脈々と伝えられて、今なおたくましく生きているものが「古典」です。だからこそ古典には力があります。
何だか意味は分からなくても、『百人一首』の歌のひとつくらい暗記している人は少なくありません。芭蕉の俳句だって、東北に旅行したらあちこちに彼が吟じた句が思い出されます。
自分の人生を顧みたくなった時、これは私のような者だけかもしれませんが、古典の言葉がよみがえってきます。朝日新聞に連載されている鷲田清一さんの「折々のことば」の連載は、すでに3,000回近くの回数を重ねていますが、名もなき人のさりげないひとこと、哲学者の思索の結晶、芸術家の強い思い入れなどとともに古典の一節がきらりと光を放つように紹介されることがあります。
私は高校生のころに日本の古典文学と呼ばれる一群の作品に心惹かれて、いつしか歴史と文学を勉強したいと思うようになりました。結果的にそれが仕事にもなり、今に至っています。
そんな古典は、本の中だけに生きているわけではありません。作者のゆかりの地、作品の舞台になった場所などで、なにかしら記念するものが置かれていて、現代人にも関心を持たれることがしばしばあります。福井県の元の武生市、今は合併して越前市になっているところには

    紫式部

を記念する立派な公園があります。なぜ福井県? というのはまた後日書くとして、こういう記念公園は作品を読んでいなくても何かゆかしいものがあるようで、訪れる人は少なくありません。
佐賀県嬉野市に行くと和泉式部公園があります。もちろん、単に歴史上の人物を記念するだけでなく、園内にさまざまな施設を設けたり、お土産の工夫をしたりして、観光客を集める工夫はなさっていますが。
愛知県知立市には『伊勢物語』のかきつばたのエピソードを意識した「八橋かきつばた園」があり、5月になると3万本というかきつばたが咲き乱れます。
奈良県北葛城郡広陵町には

    竹取公園

があります。広陵町は一節に『竹取物語』の舞台とされますので、町おこしのために作られたものなのかもしれません。
たくさんの遊具が置かれた家族で楽しめる公園ですが、同時に『竹取物語』の世界も味わうことができます。里中満智子さんの絵の描かれた説明パネルもあって、どんなお話なのかも理解できるようになっています。ちなみに、ここにはかぐや姫が生まれたという大きな竹の形をした場所があるのですが、なんと、これはトイレなのです(笑)。
文学の人ではないのですが、私が最近書いた創作浄瑠璃の主人公である重源上人については、山口市徳地地区に「重源の郷」という公園があります。ここでは重源上人がこの地に伝えたと言われる紙漉き体験などもできます。
古典は人々を今なおひきつけます。難しい文法や古語の暗記で苦労した高校時代の「古文」ではない、ほんとうの古典文学の世界を一人でも多くの人に知ってもらおうというのが私の人生だったのかもしれません。

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