公開講座 最終回
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2か月間に亙る公開講座
伊勢物語を多角的に読む
が昨日終わりました。
ほんとうは先週まででしたが、私が倒れてしまって、一週間延期。さらに暑い中での最終回になり、受講者の皆様にはご迷惑をおかけしてしまいました。
伊勢物語の第一段から始めて、それぞれの解釈の問題点を申し上げたり、ちょっと大胆な(学会ではいえないような・・笑)考えを申し上げたり、伊勢物語がのちの時代にどのように受け入れられたかを申し上げたり、絵画や工芸にいかに受け入れられたかをご紹介したり・・・という内容でした。
モタモタしてしまって、結局
第九段
の東下りを読み終えたところで終了。それ以降は秋に持ち越しとなりました。
ここでやめちゃあもったいないですね、秋もまた来てください。
と、ちゃっかり宣伝。
どれくらいの方がリピーターになってくださるでしょうか?
↑応援よろしく!
第九段のクライマックスは
隅田川
です。ここで主人公たちが都鳥を見て都にいる人の安否を問う場面です。
山城と武蔵の距離感は、現代の我々の想像をはるかに超えるものだろうと思います。さらに彼らは東の下総に渡ろうとしているわけです。
沢辺の八橋で都を思い、滔々と流れる隅田川でまた行く先を案ずる。
一体自分たちは何をしようとするのか、と自問することも少なくなかったのだろうと思います。
離れることが目的なのに、離れることはやはり哀しい。
能の「隅田川」も当然のように伊勢物語を下敷きにした本文を持っています。
江戸時代の川柳もこの段を取り上げます。
隅田川という東国の川はこうして全国的に有名なものになっていきました。
この講座にお越しくださった皆様方が私の話がどうこうではなく、
ご自身の心の問題
として伊勢物語をかみしめてくださったことを確信して終われることを嬉しく思っております。
お近くの方、後期は是非お越しくださいね。
- [2008/07/23 00:00]
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コメント
東下り
教科書でここを習いました。
古文の先生が「代表作の代表的な部分は諳んじることができるように」と指導されたので、今でも冒頭部分は覚えています。なんだか諳んじる度にしみじみとした感傷が胸に広がります。
♪睡蓮さん
習いましたよねぇ~。私もよく覚えています。
学生時代に高校で非常勤講師をしていて教えた経験もあります。
やはり丸暗記はいいと思いますね。私も方丈記とか徒然草とか、奥の細道とか、覚えました。
漢詩はもっと覚えておけばよかったと思います。
ぜひ行きたいけど、東京では無いですもんね。
私は、習った事が無いんです。(今勉強中)
最後は「ついに行く道」
つひに行く道とはかねて聞きしかど きのふけふとは思いはざりしを
明日は我が身のさしせまった言葉に聞こえます。
♪花かばさん
花かばさん、来て欲しいなぁ!
私の場合、教える、習うというよりもとにかくご一緒に読んでいただき、感じていただくことを重視しています。
ですから私の話はいつも結論がないのです(笑)。
それでも、もう何年も続けて受講してくださる方があり、感謝しています。そういう方はおそらくおいでになって何かを感じてお帰りになっているのだろうと思うのです。
「つひに行く道」~在原業平は数えの56歳で亡くなりました。
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