文楽の源氏物語(1)

まったくいい加減な勉強しかしていませんので、文楽が源氏物語を上演したことについては記憶が定かではありませんでした。そうしましたら、ある方がかつての上演プログラムのコピーを送ってくださいました。
お名前は伏せておきますが、どうも有り難うございました。

せっかくですので、ここに紹介させていただきます。

昭和二十七年三月一日初日の公演です。
番付の紋下に

    太夫 豊竹山城少掾

とありますので、時代を感じます。この公演は「竹本綱太夫 竹澤弥七 毎日演劇賞受賞記念」になっています。太夫さんは「大夫」ではなく「太夫」の字が使われています。

第一部(11時開演) 祇園祭礼信仰記 恋娘昔八丈 安宅関
第二部(16時開演) 俤源氏物語 源平布引滝 碁太平記白石噺

という番組です。
山城少掾・藤蔵は「布引滝 実盛物語」の切。綱太夫・弥七は「恋娘 城木屋」の切と後述の「俤源氏物語」。
四ツ橋文楽座で、一等席300円、2等席150円、3等席100円、1幕50円でした。

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↑番付(わかりにくいですが)

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そして、

    俤源氏物語 (おもかげげんじものがたり)

は、所要時間80分(吉井勇作、西亭作曲・演出、山村若振付、大塚克三装置)。

  夕顔の段           南部太夫・広助
  夕顔光源氏 道行虫づくし 松太夫、宮太夫、織の太夫、織部太夫、弘太夫
                   松之輔、八造、錦糸、寛弘、新三郎
                   筝曲 菊原初子社中
  河原院怨霊の段       綱太夫・弥七  八雲:寛弘

から構成されています。
人形は源氏の君(玉助)、夕顔(栄三)、惟光(玉男)、六条御息所怨霊(玉五郎)ほかです。

夕顔の家に物の怪の漂う様子があるといって大弐尼(紋太郎)と阿闍梨(登一)が修法をおこない、通い人(源氏のこと)には内密にするようにと言って去ります。
やがて源氏の家来惟光が来て、河原院に夕顔を誘い出すようにという源氏の言葉を伝え、ためらう夕顔を車に乗せます。
夕顔は河原院でこの通い人が光源氏であると知ります。その夜、雷鳴があり、六条御息所の生霊が現れ、源氏を責めた上で夕顔を睨み付けと、やがて夕顔は息絶えてしまい、光源氏は世の空けぬうちに野辺送りしようとして車に亡骸を乗せて鳥辺野に向かうのでした。

床本がありませんのでどういう詞章だったのか気になるところです。
無理に江戸時代風に移したような印象を受けないのですが、さてどうたったのでしょう?

なお、プログラムには近石泰秋氏の『源氏物語と浄瑠璃』というエッセイが掲載されています。

コメント

モテ男

夕顔との出会い、そして六条御息所に呪い殺される夕顔。ドラマ性が高いですね。

筝曲・菊原初子社中とありますが、地歌を御簾内で、といえども女性が演奏されたんですね。もめなかったんでしょうか。

それにしても源氏の君のモテモテ男。チキショー!

♪やたけたの熊さん

菊原のお師匠さんは長らくご活躍でしたよね。
先代井上八千代さんと菊原初子さんは桁外れの方だったような気もします。
光源氏は確かに色男でしたが、人間くさい弱い男でもあったように思います。
この上演はどんな評判だったのでしょうね。

かわいい番付ですね

桜の花に源氏香(もどき?)の図柄がかわいいですね。
織の太夫さんが現在の綱大夫さんで、寛弘さんというのは寛治さんですね。お二人とも二十代半ばのころでしょうか?見てみたかったなあ。

四ツ橋文楽座のプログラムですが、中之島図書館で見られそうなので、今度
、大阪へ遠征したときに行ってみます。

ありがとうございました。

♪やなぎさん

細かくチェックしていただいてありがとうございます。
そうですね、源氏香と桜です。
こういうさりげないデザインはいいものですよね。
中之島図書館は郷土資料や芸能関係など豊富ですね。とってもレトロでいい雰囲気です。私の学生時代はあそここそが府立図書館の牙城でした。

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