春休みの補講 

おととい、学生さんが来ました。
1月の最初の授業のとき私がいつになくゆっくり家を出たらたまたま事故があったらしく、途中で大渋滞になりました。車の列はまるで動かず、脇道に逃げるのもたやすくなく、逃げるとまたそちらも渋滞しているというひどい目にあい、普段なら30分余りで行けるのに、この日は1時間余分にかかってしまいました。結局大幅に遅刻する羽目になったのです。
多くの学生さんは「そんなのいいですよ」「とよくあることです」「私たちも遅刻しますから」と言ってくれたのですが、後日

    「補講してください」

と言ってきた学生さんがいました。
よくぞ言ってくれました。病気で休んだというならならともかく、車が渋滞で遅刻という恥ずかしさですから、どちらかというと補講させてもらうほうが気が楽だったのです。
しかも彼女は「キリスト教の話をしてください」とリクエストしてきました。
もうこうなったら何でもやっちゃいますよ。
その後

    聖書

を読み直してまとめることをまとめ、プリントもしっかり作って準備しました。
彼女一人だけでしたが、とても気持ちよく話をさせてもらいました。もちろん手当は尽きません(笑)。

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2018 春休みの宿題(3) 

今年の春休み、まじめに取り組んでいるものがあります。それは紙芝居です。
まずは
 長野ヒデ子編 『演じてみよう つくってみよう 紙芝居』(石風社)
 子どもの文化研究所編 『紙芝居のコツと基礎理論のテキスト』(一声社)
 紙芝居文化の会 『紙芝居百科』
を読んで勉強しました。このうち最初の本は以前もざっと読んでいるのですが、もう一度やり直します。
しかし紙芝居は理論だけではどうしようもありません。大事なのはやはり

    実践

です。しっかり声を出しながら、どのように紙を抜いていくかなどを、きちんと研究しています。
そのために紙芝居を11セット手に入れました。もちろん自費で買ったのではありません(笑)。

『かさじぞう』
『人魚ひめ』
『雪の女王』
『ふるやのもり』
『なんにもせんにん』
『てぶくろをかいに』
『うりこひめとあまのじゃく』
『さるとかに』
『天人のよめさま』
『ニャーオン』
『ももたろう』

です。これまでに研究、実践したのは、この中では『かさじぞう』と『ニャーオン』のみです。
どちらも勉強のしがいのある名作でした。
普段はどうしても大きな声は出せませんので、

    休み中こそ

こういうことができるいい機会なのです。
1日1時間は、声を出したり紙の送り方の工夫を考えたりしています。
これも実は授業に関係するもので、幼稚園教諭や小学校教諭を目指す学生にn勉強してもらうために私がまず勉強するわけです。

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幸助から玉助へ(7) 


このたび、五代目玉助になられるからには、松王丸、毛谷村の六助、岡崎の政右衛門、御所桜の弁慶、引窓の長五郎など、大きな主役は自分のものだという自負とともに責任を感じていただいて遣っていただきたいものです。
歌舞伎で「加役」と言いますが、立役遣いの方がなさる女形には岩藤や八汐なども玉助さんでぜひ観たいです。検非違使首なら「河庄」の孫右衛門。やはり肚のある役柄が映るように思えます。
四月公演では口上とともに『本朝廿四孝』の

    山本勘助

を遣われます。これは三代目の襲名披露のときと同じ役です。
幸助さんから襲名の相談を受けられた簑助師匠も「この役で襲名したらどうか」とおっしゃったそうです。
口上はどなたが出られるのでしょうか。初春の織太夫さんの時は八代綱大夫師の五十回忌がありましたので、咲太夫師匠と織太夫さんだけで(写真で綱師も出ていらっしゃいましたが)、お話しになったのは咲太夫師匠だけでした。今回はご一門はじめ多くの方が舞台に上がられそうですね。
多くの人に祝福される五代目吉田玉助さんは

    幸せな門出

をなさると言えるでしょう。
どうかますます精進なさって、平成の次の元号を代表する人形遣いになっていただきたいと願っています。
このシリーズ記事の最後に幸助さんにお願いをしておきます。
幸助さんが玉助になられたら、次の玉助を育てる使命が生じたとも言えるでしょう。是非、

    お弟子さん

を育てていただきたい。
基礎をしっかり身につけていらっしゃる幸助さんですから、きちんと若手を育てられる、立派な師匠になられると思います。
そうすることで四代目玉助のご尊父への本当の意味での恩返しができます。これができなかったら玉助襲名の意味が小さくなると思います。
長々と書いてきましたが、実はこれが一番言いたかったことかも知れません。

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幸助から玉助へ(6) 

文楽ファンの集まりである「だしまきの夕べ」にも来てもらったことがあります。どなたか来てもらえたら、と、実行委員長(笑)のやたけたの熊さんに言われて、私がお声をかけたのですが「ぼくなんかでいいんですか」と例によって謙虚にお返事を下さいました。
するとこの時は女性陣が大張り切り。私の知り合いで、だしまきの夕べには参加したことのない人までが「行きます」と言い出して、初春公演だったものですから、その人は早めの

    バレンタインデー

のプレゼントまで持ってきていました。
4年くらい前だったと思うのですが、その時にも襲名の話をいくらかされていました。襲名がいかに大変かということと、もうひとつはそれにもかかわらず幸助さんが襲名に意欲を持っていたということを強く感じないわけにはいかなかったのです。
そのころはすでに重要な役も付き初め、次代の座頭格と目されるようにもなっていました。
勘十郎さんが大きな立役を持たれるときには左を遣われることも多く、勘十郎さんが実に動きやすそうで、左遣い次第でこんなに人形は立派に見えるものかと思うほどでした。
主役級の人形というと、『義経千本桜』の狐忠信や『国姓爺合戦』の

    和藤内

あるいは『夏祭浪花鑑』の団七九郎兵衛や一寸徳兵衛も遣われました。
狐忠信では早替わりのところで狐の人形をもって木の陰に隠れたかと思うと舞台に切られた階段から下にもぐり、衣装をはがすように替えて忠信の人形に手を通すと息を切らすこともなく平然として姿を現されました。客席から見ると、たった今狐を持っていた人が、その狐を離した瞬間に別の人形をもって、しかも衣装も改めて立っているのですからかなりのケレンでした。
和藤内では、大きな体、たくましい力、強い芯、安定感を生かして、あの重くて背の高い人形を、さらに目いっぱい大きく見せながら演技をされました。
キマリのしぐさが映えるのは天性のものだろうかと思ってしまいました。
団七も大きな人形ですし、一寸徳兵衛もそうですが、幸助さんご自身が大きいからといって人形を大きく見せられるとは限らないと思います。逆にさほど大柄でなくてもうまく遣えばじゅうぶん人形は大きく見えるはずです。当代の勘十郎さんにせよ玉男さんにせよ、大柄ではありませんが大きく見せる技をお持ちだと思います。
しかしうまく遣えばやはり背丈があることは(手の長さも歩幅もありますし)見栄えにつながると思うのです。
熊谷、知盛、光秀、平右衛門等々、大きな人形をどんどん持っていただけたら、と思います。

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幸助から玉助へ(5) 

人懐っこくて愛想の良い、しかし芸については妥協のない、いかにも「芸人さん」らしさを持った人です。
楽屋の廊下で人を待っていてボヤっとしていたら、よくあちらから声をかけてくださいました。どういうきっかけだったのかは忘れましたが、年賀状も今なおやり取りがあります。
玉幸さんが亡くなった直後、私が劇場の図書閲覧室に行こうとして楽屋側のエレベーターを待っていたら、ちょうど幸助さんが来られたことがあり、「お父様、大変なことでしたね」と声をおかけしました。さすがにその時はあの大きな体を細めるようにして「はい」と

    声にならない声

を出されたのでした。
うちの子がまだ小さかったころ、夏休みの公演に連れていき、楽屋に行ったらたまたま幸助さんに会い、「子供に人形を持たせてくれませんか?」とお願いしたことがあります。私は楽屋廊下の体験用の「お園」か、せいぜいツメ人形を持たせてくれればありがたいと思っていたのです。ところが彼は楽屋に入っていって、おそらく当時の玉女さんが遣っていらっしゃったと思うのですが、あの大きな

    孫悟空

の人形を持って出てきてくれました。小学生だった長男は大きな人形を必死になって持っていました。
そういう人柄で、礼儀も正しく、こちらが何か申し上げると一生懸命聞いてくださる幸助さんだけに、多くのファンがいらっしゃいます。
忘年会や新年会をなさったりして、ファンとの交流を深められ、様々な舞台芸術にも足を運ばれたり、コラボレーションをなさったりしています。
何かの意見を申し上げますとよく聞いてくれましたが、その一方で納得がいかないと反論もきっちりされます。こういうところがプロらしくていいです。
ご尊父が亡くなったあと、近いうちに「玉幸」を名乗られるのだろうなと思っていたのですが、周りの人に伺いますと、早くから「いずれ玉助を」という思いはお持ちだったようです。
そしてそのことを周りの人が「当然」という見方をしていらっしゃったことも幸助さんの人柄や実力のなせるわざだな、と思ったのでした。

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