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編集後記 

2月に提出した短歌雑誌の原稿には、短歌作品(自分のものだけではなく、私の手元に送られてきた同人たちの作品をまとめたもの)、書評(というか、書籍紹介)、『源氏物語』のエッセイ(連載33回目)に加えて、編集後記もあります。実際の編集業務はほかの同人がほとんど担当してくれるのですが、私は立場上、いかにも私が編集しましたという顔で(笑)こういうものも書かねばなりません。
編集後記では、新たに加わってくださったメンバーを紹介したり、創作意欲を高めるための文章を書いたりしますが、それに加えて世の中の動きについても書くようにしています。
例えば、前回(昨年11月執筆)のものでは、野球の日本シリーズやラグビーワールドカップにからめてスポーツと短歌のことを書き、あわせてスポーツの持つ「平和の戦い」に対してウクライナやガザの

    「人類を破滅させる戦い」

の危機についても触れました。
その前の昨年8月執筆のものでは、国連のグテーレス(人名表記は国連広報センターに従う)事務総長による、気候変動に関する各国の真摯な対応を促すための「global boiling」つまり「地球規模の沸騰」という言葉に触れました。そして、それでもまた飽くことなく武器や核保有が議論される現状について、ペンを持つ者として抵抗し、発言し続ける使命についても書きました。
こういうことが、短歌の雑誌に何のかかわりがあるかと思われるかもしれません。しかし、短歌とて現代社会の中で生きているわけですから、時代の動向と無縁ではいられないという意識を持つためにも必要なことだと思っています。
そして今回の編集後記には、

    東京国立劇場

の建て替え問題に対する短い見解を書いておきました。それは以下のとおりです。

東京国立劇場が建て替えのために閉場されました。この劇場を東京公演の本拠地としていた文楽は足立区のシアター1010などに間借りする形で公演を続けていますが、どうしても不満の声があがります。建設予定の新しい劇場はホテルなどを併設する計画で、高層ビルの中に劇場が入るイメージです。しかし、伝統文化の聖地の再建に「経済性」を追求することには疑問を感じます。建設事業の入札は不調で、このままでは劇場再開は予定よりはるかに遅くなりそうです。その間にこれまで足しげく通っていた客層の芝居離れが進んだり若者の伝統芸能への関心が薄れたりしないかという危惧も抱きます。文化国家が自国の伝統を守ることは極めて重要な課題です。建て替えの再考の余地はほんとうにないのでしょうか。

また、どうしても許せない気持ちがあって、政治家の言葉遣いにも短く触れておきました。

政治家の言葉を危ぶみます。パーティ券のキックバックを「還付金」と言い出しました。堂々と「私は~する」と言うべきところを「~しなければならない」と評論家のような口ぶりになる人もあります。「ごまかし語」だと私には思えます。

今回こういうことを書いたのは、伝統芸能にせよ、言葉の問題にせよ、短歌とは切っても切れない問題だと思ったからです。字数制限が厳しいですからどうしても舌足らずになってしまいますが、これからも記録すべき大切なことを書いていこうと思っています。

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雛人形 

平安時代には三月三日(もちろん旧暦)を上巳の節句としました。
上巳というのは「その月の最初の巳の日」ということですから、三日と限定されるものではないのですが、すでに古代中国から三日を上巳としていたため、日本でも古くからこの日と定めていました。
この日には

    曲水の宴

がおこなわれ、今も太宰府天満宮ではグレゴリオ暦の3月の最初の日曜日に行われます。今年はたまたま3日がその日に当たります。
今年の旧暦三月三日は4月11日にあたるそうですが、この日もたまたま巳の日です。
江戸時代になると大名の娘の嫁入り道具に立派な雛人形が用意されたり、富裕になった庶民の中にも雛人形を飾る習慣ができました。今はそんな大きな家に住む人が(特に都会では)いませんので、

    団地サイズ

のものも多いですね。
私は昔から雛人形が好きで、特に有職雛人形は王朝の風情があって、見ていて飽きません。
昨今そういう雛人形は何かの催しでもない限り見られませんが、だからこそ展覧会があると出かけようという気持ちになります。
何年か前には大阪市の「くらしの今昔館」で古い雛人形を見たことがありました。今年はどうも出歩けそうになく、残念ながらあきらめており、SNSなどで見かける写真で楽しんでいます。

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墓さまざま 

墓のない人生ははかない、というのは、京都の石匠でいらっしゃる河波忠兵衛さんのキャッチフレーズ(?)ですが、近ごろは「墓じまい」といって、田舎のお墓を閉じることがあるようです。子どもの数が減ったり、独身を通したりする人も増えて、墓を維持できなくなることも多いようです。
私は墓を建てる予定はありません。親がきちんと建てており、そこに入れてもらえれば良いと安易に考えています。
次の世代もいますので、墓の維持については私の代ではなにも案ずることはなさそうに思っています。
実は、私は自分の入る墓なんて要らないとすら思っているのですが、子孫が

    先祖を偲びたい

と思う気持ちもわかります(私にもそういう気持ちはあります)ので、おとなしくしきたりに従うつもりです。
田舎の墓がなくなるのに対して、学業や仕事のために都会に出る若者が増え、都市に人が集中すると、今度は都市近辺の墓地が手狭になりそうです。
岩下志麻さん主演のコメディタッチの映画に「お墓がない!」というのがありました。天涯孤独でプライドの高い映画女優が、自分にふさわしい

    墓探し

をするものでしたが、著名人になると個人の墓を建てる必要に迫られることもありますから大変です。
私は以前、しばしば文楽の方のお墓を訪ねて回ったことがあります。大阪の寺町近辺に行くと思いがけないお墓に出会いますし、私の家の近くにもどう見ても文楽の人としか思えない名前の墓石があります(ただし『義太夫年表』には見当たりませんでした)。
中にはすでに墓石がもろくなっているものもあり、無縁になってしまったものも見かけます。そうなるとほんとうに「はかない」と感じることもあります。

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18歳 

このブログが誕生したのは2006年3月1日です。
今日が誕生日で18歳になりました。
あの時生まれた子は、この春高校を卒業することになります。長い年月です。
この18年は、下り坂と上り坂を同時に歩いているようなでこぼこした日々でした。
しかし、栄枯盛衰は

    邯鄲の枕

の故事に似てあっという間の儚いものかもしれません。
残りの人生は「欲はなく決して怒らず」と行きたいものですが、そうはいかないかもしれません。
いいかげん、悟らねばとは思いつつ、わめいたり、怒ったり不平を言ったり。
明日からもまたそんなことを書くかもしれません。

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あたふたした二月 

3か月に一度押し寄せる原稿の波がこの2月にもやってきました。いつもながらの悪戦苦闘でしたが、2月20日にすべて提出して無事にクリアしました。もっとも、えらい大先生とか、流行作家に比べると雀の涙ほどの量なのですが。
それでも、ともかくも2月の主だった仕事は終わりました。
寒暖の差の大きさで体調がまたもや悪化したこともあって、締切直前(つまり2月中旬以降)はかなり苦痛でした。もっと早く書いておけばいいのに、といつもながら反省しています。
書くこと以外では、月例の『源氏物語』の講座でお話しする仕事もありました。『源氏物語』の専門家でもなんでもない私にとっては、予習がなかなか大変で、資料(レジュメ)作りもしなければなりませんので、講座が終わるとすぐに次回の予習が必要になってきます。『源氏物語』を読むこと自体は楽しいことで、勉強するのも当然おもしろいのですが、無責任なことは言えない、という重圧だけがしんどいといえばしんどいかもしれません。
ところで、2月には

バレンタインデー

というのがありますが、私にはとんと縁のない行事です。このブログでは何度も書いていると思いますが、学生さんには人気がありませんし、そもそもこんな時期に学生さんはめったに大学には行かないので会わないのです。それ以外にも、あまり人と会うということがありませんから、当然どなたからもいただくことがないのです。
ところが今年はひとつ、とてもしゃれたチョコレートをいただきました。6個入っているのですが、缶入りの豪華なものでした。いったいどなたが、ということなのですが、なんと、『源氏物語』の講座においでいただいている7人の女性方からいただいたのです。
高齢の方なのですが、とても気の利いたことをしてくださいました。皆様ありがとうございました。
2月はとても暖かい、

    春、本番

という日があったかと思うと、また冬に逆戻りしたりしました。こういうのは私にとってはやはり健康にはよくないのです。
そんなわけで、何かと大変だった2月でしたが、いよいよ春の到来ということになりました。私は3月に関してはまあまあ余裕ができそうな気がしています。このあたりでまたひとつ創作浄瑠璃の骨格だけでも考えてみたいと思っているのですが、果たしてどうなりますやら。

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