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問いかけ上手 

教員と言うのはやはり話のうまい人がいいのです。といっても、面白おかしいだけではダメで、中味のある、説得力のある話ができるかどうかが大切で、そのためには勉強もしっかりしないとまずいのです。
中味がないうえに話が下手ではなかなか学生に聴いてもらえません。特に私のような、専門科目と関係ない話をする者は、授業など無視して内職か居眠りを決めこまれる可能性が高いのです。それでもかまわない、という姿勢の人も実際のところは少なくありません。学生の顔を見ずにしゃべるだけで、学生は学生で何も聴かずに内職三昧、という授業風景を、廊下を歩いていたりすると見かけることもあるのです。話を聴かない方が悪い、とはっきり言う教員もいます。かと思うと、ぼんやりしている学生に向かって

    「単位、出さないぞ」

と脅かす教員もいるのです。でも、こういう言い方をされると、学生はまず間違いなく反発します。以前ある学生が「こんなことを言われて困っている」と相談に来たこともありました。昔のインテリだらけの大学ならともかく、大衆化した大学において、こういうのはやはりあまり賢明な物言いだとは思いません。
とえらそうなことを言いましたが、それなら私は話し上手で学生に受ける授業をしてきたのかというと、それはまったく違います。
ただ、私の場合、耳の病気をしてから、考えることがありました。話はもともと上手ではないし、ある程度才能も必要なので、それ以外に何か工夫するところはないだろうか、と思ったのです。
学生にはあまりものを覚えさせることは強要しない(覚えたければ覚えてもらえばいいのですが)、試験もしない、ただ考えさせることだけをしよう、というのが今の私のやり方なのです。
そのために私は

    問いかけ上手

になろうと決めました。
ですから私は授業中に「これ、どう思いますか?」としょっちゅう言っています。そして思ったことを書いてもらって必ず丁寧に読んで、次の時間にコメントすることにしているのです。
専門科目、特に資格にかかわる科目などではそんな悠長なことはできないでしょうが、教養科目の場合はどこまで話さねばならないということはありませんから、ペースは遅くなっても問題ないと思っています。
ただ、受講学生が多いので、彼女たちの意見を読むのに膨大な時間がかかるのがネックなのですが・・・。

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添削 

3年前に私の授業に出ていた学生さんからメールが来ました。
お名前はよく覚えていますが、お顔まではわかりません。そういう人から連絡をもらうのはとてもうれしいことです。
要件は何だったかというと、就職活動の相談でした。彼女は看護師になるのですが、某有名病院を希望しているとのことです。その病院では就職を希望する人に対して小論文を書かせるのだそうです。
看護師にとって大切なもの、という内容で、彼女もさっそく書いたのですが、どうしても自信がなく、

    アドバイス

を求めたいと思うようになったらしいのです。そんなときに私を思い出してくれたのだそうで、またまたうれしい気持ちになりました。
さっそく彼女の書いたものをメールに添付して送ってもらい、すぐにチェックを始めました。
就職目当ての小論文にありがちな歯の浮くような、あるいはお題目を唱えるような内容ではなく、自分の体験を基にした、なかなか立派な文章で感心しました。しかし、文章というものは概して他人にとってはわかりにくいものになりがちです。私もいつもその点には気をつけてこのブログを書いているのですが、アップされたものを読んでみると「ひどいなぁ」と思うことがしばしばです。これは謙遜でも何でもありません。それほどに書いているときには気づかないものなのです。彼女の文章にも若干そういうところがありました。
さて、どこまでアドバイスしようかなと思ったのですが、単なる文章の練習ではなく彼女の一生にもかかわりかねないことなので、細かいことまで

    厳しくチェック

することにしました。彼女は気分を害することなく受け入れてくれて、訂正したものを病院に送るようです。
もちろん小論文だけで採用が決まるわけでなく、面接もあるのでしょうから、あとは彼女の度胸と誠実さに任せるほかはありません。
大きな仕事はできないのですが、こういうことをこつこつと実践することが私の教員としてのアイデンティティかもしれません。

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お菓子作り(2) 

まったく別の授業で「皆さんは料理上手な人を『女子力が高い』というのですか?」と聞いてみました。少し前ならやはり「料理=女子力」という人も少なくなかったのですが、ここ数年は「料理ができるのは男性も女性も関係ない、それはむしろ生活に必要だからするのであって、人間力というべきだ」という意味の答えをする人が多くなっています。また、「料理のできる男性はすてきだ」という人も多く、ゴキブリ亭主なんて、もはや死語になっているようです。そういえば、先日「私が結婚したい男性の職業」というのを教えてくれた学生がいまして、彼女の場合は第三位に

    「料理人」

が入っていました。
私もクックパッドとか楽天レシピとかそんなのを見ながらしばしば料理をしますが、いつまでたっても上達しません。そんなことも私は授業中にしゃべっています。世の高尚な大学教員がそんな授業をご覧になったら、「ふざけている」と思われるのかもしれませんが、私はけっこうまじめにそういう話をしているのです。
すると、ある学生が「先生、料理もいいけどお菓子作りをしたらどうですか」と提案してくれました。「いやぁ、私の作ったお菓子なんて食べられないと思いますよ」と言ったら「一度作って持ってきてください。私食べますよ」と話がエスカレートしていきました(これ、休憩時間の雑談じゃないんですよ、授業中です)。
そのあとさらに私が「それでは

    ハロウィン

を目指してお菓子作りの稽古を始めようかな、その時みなさんに食べてもらいましょう」と言ったらけっこうウケました(笑)。
でも、学生さん、どうか期待しないでください。

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お菓子作り(1) 

平安時代の『枕草子』の中に、「和歌・音楽・書道」に秀でている女性のことが書かれています。この人は父親からこの三つの道を究めるように言われ、『古今和歌集』の歌はことごとく暗誦していて、楽器もできて字もうまいという人だったようです。あるとき、彼女の夫にあたる天皇(村上天皇)が「テストしてやろう」と思いついて、彼女に「いつどういうときに誰それが詠んだ歌は何か」と『古今和歌集』の歌を次々に言わせたら、彼女はすらすらと答えたというのです。
近頃の学生さんは、和歌となるとさすがに無縁ですが、詩の一つくらい書いたことのある人も多く、音楽に関しては楽器ができるとか、カラオケで歌声を磨いている人という人も少なくありません。ところが、失礼ながら文字に関してはさっぱりダメ、という人が多いようです。中には驚くほどきれいな字を書く人もいますが、たいていの人はかなりひどく(笑)、本人もそれは自覚しているのです。私は一般の方向けに講座もしていますが、こちらに参加される方の字は目が覚めるほど美しいものが多く、単に年の功というだけでなく、お若い頃から意識してこられたのだろうと思います。
それに対して学生は、「丸文字で小さく」書くのが

    カワイイ

というので、中学生あたりから一生懸命そういう「書道」をしてきたようです。それだけに、今になって年齢相応に大人っぽい字を書きたいという気持ちが高まってくるらしく「どうすればいいでしょうか」といわれることもあります。私はそういう時、まず「自分の名前を丁寧に書けるように練習する」「一回り大きめの字でひら仮名を練習する」というのを試すように言っています。特に名前は将来結婚式などに出席した場合、書かされることが多く、案外必要に迫られることもありますから。毛筆と言うとハードルは高いですが、せめて筆ペンで書けるようにするといいと思います。
先日、その『枕草子』の話をしたところ、「平安時代のお姫様は、『字は下手でも

    お菓子作りはできます』

というのは女性の魅力としてどうだったのですか」と質問されました。質問した彼女も字には自信がないらしく、わが身に重ねての質問だったようです。残念ながら、お姫様たる人はみずからお菓子作りなどしないですし、今のようなケーキもチョコもないですから、あまり意味はなかったかもね、と答えざるを得ませんでした。当時のお菓子と言えば米や麦の粉に甘蔓(あまづら。蔓の汁を煮詰めて作った当時の甘味料)を混ぜてこねたものを油で揚げたものがありましたが、お姫様がそんな手の汚れるようなことはしなかったでしょう。
学生さん、がっかりです。でもね、今の学生さんはお菓子作りができるのは自慢していいと思いますよ、とフォローしておきました。

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ひとり旅の完結 

服部から梅田まで出て、阪神に乗り換え、甲子園へ。この日は午後に野球があったのですが、10時ごろでしたのでさすがにまだ閑散としていました。
甲子園球場に来るのはもう10年以上前に高校野球を(無料だった外野席で)30分くらい覗いて以来です。
ここでは甲子園一帯の歴史(と言ってもまだ浅い歴史ですが)に関するものを求めてあたりをうろつきました。一番目立つのはやはり素戔嗚神社です。球場に隣接していますので、阪神タイガーズのファンの人もよく訪れるところです。古い玉垣がありますが、おそらく大正十三年(1924)に置かれたものだと思われます。この年の干支は

    甲子(きのえ ね)

で、甲子の年に開発された町だから甲子園となったのでした。球場も同じ年にニューヨーク・ジャイアンツ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)の本拠を参考にして半年足らずで造られたそうですが、当時は「甲子園大運動場」といいました。球場をぐるりと一回りすると、「野球の塔」などもあり、ここはベースボールの聖地にふさわしい場所だと思いました。
こうして、ひとしきり資料になりそうなものを写真に収めて、とうとうゴールデンウィークのひとり旅は完結しました。

私は毎年、この時期は家でひっそりとしているのです。外に出ても人出が多いばかりでかえって面白くないだろうと思っていたからです。
ところが、今年は何を思ったのか(自分でもよくわかりません)外に出てみようと考えたのでした。これまで書いてきましたように、電車と徒歩のみで移動しましたので、歩いた距離を推算しておきます。( )内の数字は距離(単位km)。

4月30日 大阪西天満老松ビル【1日計4.0㎞】
  自宅~最寄り駅往復(1.0)
  梅田~西天満のギャラリー往復(3.0)
5月1日 尼崎貴布禰神社・開明中公園【1日計3.0㎞】
  自宅~最寄り駅往復(1.0)
  阪神出屋敷~貴布禰神社~開明中公園~阪神尼崎(2.0)
5月2日 京都国立博物館・京都府文化博物館【1日計9.5㎞】
  自宅~最寄り駅往復(1.0)
  阪急河原町~建仁寺~六波羅蜜寺~博物館及び博物館内(3.5)
  国立博物館~枳殻邸~文化博物館及び博物館内(4.2)
  文化博物館~阪急河原町(0.8)
5月3日 布引の滝・倚松庵・桜政宗記念館【1日計7.4㎞】
 自宅~最寄り駅往復(1.0)
  阪急三宮~加納町交差点~新神戸駅~布引雌滝(2.2)
  布引雌滝~北野通~北野坂~阪神三宮(2.7)
  阪神魚崎~倚松庵~桜政宗記念館~阪神魚崎(1.5)
5月4日 長岡天満宮・勝龍寺城跡【1日計6.7㎞】
  自宅~最寄り駅往復(1.0)
  阪急長岡天神~長岡天満宮及び境内~勝龍寺城跡(3.5)
  勝龍寺城跡~西国街道~阪急西山天王山(2.2)
5月5日 中山寺・服部天神宮・素戔嗚神社【1日計3.4㎞】
 自宅~最寄り駅往復(1.0)
  阪急中山観音~中山寺境内散策~阪急中山観音(0.7)
  阪急服部天神~服部天神宮及び境内~阪急服部天神(0.5)
  阪神甲子園~甲子園球場付近散策~阪神甲子園(1.2)
実際は電車の乗り換えなどもありますし、道を間違えたりもしています(笑)ので右往左往しており、もう少し長い距離になるでしょうが、おおむねこんなところです。
これを合計しますと、総距離は

     34.0km

でした。フルマラソンを目指したのですが(笑)、さすがにそこまではいきませんでした。それでもまずまずよく歩いたと思います。

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